荻窪の「荻外荘(てきがいそう)」が4月発売の「第2503回東京都宝くじ」の図柄に採用された。
同所は、医師で大正天皇の侍医頭(じいのかみ)を務めた入澤達吉の別邸として、1927(昭和2)年に創建された。設計は、入澤の義弟であり、日本の建築史学の創始者で、築地本願寺などを手掛けた伊東忠太。
昭和の戦前期には、内閣総理大臣を3度務めた政治家、近衞文麿が、1937(昭和12)年の第1次内閣期から、1945年(昭和20)年12月の自決に至るまでの期間を過ごした地でもあり、昭和前期の政治の転換点となる重要な会議を数多く行った場所とされている。2016(平成28)年3月1日には、国の史跡に指定された。
宝くじは、都内に現存する、江戸時代末期から明治・大正・昭和・平成にかけて歴史に名を残した場所を図柄にし、『「東京」という街を、改めて知ってもらうこと』をコンセプトにしている。杉並区は現在、「荻外荘復原・整備プロジェクト」を進めているといい、ふるさと納税制度を活用した寄付を募りながら、1960年(昭和35)年に豊島区内に移築された部分の再移築など、2024年12月に史跡公園としての公開を目指している。今回採用された図柄は、復元後の荻外荘のイメージという。
販売は4月21日~5月11日。