東高円寺の銭湯「大和湯」(杉並区和田1)が3月31日、閉業した。
丸ノ内線東高円寺駅から、蚕糸の森公園の脇を抜けて徒歩6分ほどの住宅街に位置する大和湯は、1949(昭和24)年に創業。銭湯絵はなく、大理石調のタイルやシャガール風のイラストのタイルなどで装飾され、バイブラバス、ジェットバス、電気風呂、サウナ、水風呂が一通りそろう浴室だった。昨年4月から休業していたが、そのまま閉業となった。
閉業理由について大和湯の井上一樹さんは「『リラックスできる地域のお風呂』として提供してきたが、設備老朽化や私も年を重ねてきて営業が困難となった。開業から74年、多くの方に支えていただき感謝の気持ちでいっぱい」と話す。
昨年7月には荻窪の「藤乃湯」も閉業し、杉並浴場組合に加盟する銭湯は17店となった。
同組合長で「玉の湯」の末岩尚人さんは「サウナ人気から派生して純粋に銭湯を楽しむ若い世代が増えているよう感じている。閉店する銭湯があるのは残念だが、今後も近隣の銭湯を利用してほしい」と話す。「広い浴槽に足を伸ばしてゆっくりつかれば、一日の疲れもすーっと抜ける。体験してほしい」とも。