荻窪駅南口の住宅街で現在、多世代居住シェアハウス「荻窪家族」の建設が進んでいる。
建物は全14戸の共同住宅で、ワンルームタイプの賃貸部分と、入居者も使える地域に開いたアトリエやラウンジ、集会室などからなるコミュニティースペースを備えている。
建物一階の共用部は「サロン」と呼ばれ、居住者でなくても「サロンメンバー」になれば利用することができるという。
2階には居住スペースと、居住者が使えるキッチンのあるラウンジを配置。日常的には個室にあるキッチンを使い、休日にはほかの入居者たちとラウンジで食卓を囲むなど、それぞれのプライバシーを確保しながら、緩やかに日常の中でふれあえる場を提供しているという。
同プロジェクト代表の瑠璃川正子さんは「自分の老後を考えた時に、お年寄りだけ囲われた施設よりも、子どもも若者も犬も、自然な感じでそばにいてほしいと思った」と話す。
「現代の家族に昔の家族のような力はない。医療や介護の公的なサービスにも限界がある。建物に居住する人や地域の人がゆるやかな家族のようになれる住まいを作ろうと思った」とも。
プロジェクトには連健夫建築研究室とツバメアーキテクツが関わり、耐震性能とデザイン性を両立させながら、コンセプトに沿った建物を設計したという。
同プロジェクトでは現在、「多世代居住シェアハウス」という新しい暮らし方を世の中に広めて行くために、クラウドファンディングを活用してサポーターを募集している。