杉並区立中央図書館(杉並区荻窪3)で「アンネ・フランクと希望のバラ」が開催されている。
杉並区立中央図書館で開催中の「アンネ・フランクと希望のバラ」
アンネ・フランクの没後70年を記念して開催されている同展。アンネの生涯とアンネが生きた時代を分かりやすく紹介している。
「アンネの日記」の著者として知られるユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクは、第2次世界大戦中ユダヤ人の迫害を逃れるため、家族と共にオランダの隠れ家で生活していた。「アンネのバラ」は、その時アンネが屋根裏部屋から眺めていた野バラをベルギー人の園芸家が品種改良し「アンネ・フランク」と名付け、アンネの父・オットーに寄贈したもの。
1975(昭和50)年には、高井戸中学校の当時の2年生が「アンネの日記」の感想文をオットーに送ったところ、翌年同中学にアンネのバラ3株が贈られた。当時から40年たった今も「アンネのバラ委員会」の生徒と保護者が大切に育て、今年の5月中旬には140株の花が咲いたという。
2014年2月には都内各地の公共図書館などでアンネ・フランク関連書籍が引き裂かれる事件が発生し、中でも杉並区は13館中11館で121冊が被害を受けた。事件後、関連書籍の寄贈や励ましの手紙など多くの支援が集まったという。
開催中の同展では、多くの支援に対する感謝の気持ちや、平和を願ったアンネの思いを社会に広げるため、33枚の振り仮名付きのパネルや写真で紹介している。
同展担当者は「アンネが亡くなって70年目の今年、あらためて戦争の悲惨さ、平和のありがたさや尊さを考えるきっかけとなれば」と来場を呼び掛ける。
開催時間は9時~18時(日曜・祝日は17時まで)。6月4日は休館。6月7日まで。