高円寺で、海外旅行者への日本のアートの発信やアーティスト支援を目指すアートホテル「BnA koenji」の開業準備が進んでいる。現在、「Bed & Art Project」(ベッドアンドアートプロジェクト)がクラウドファンディングで改修費用を集めている。
同ホテルは「泊まれるギャラリー」をコンセプトに各アーティストのアート作品を空間全体に施す。日本のアートへの関心が高い旅行者に貸し出し、利益の一部が参加アーティストに還元されるといい、現在運営する京都の「BnA kyoto」と池袋「BnA ikebukuro」は外国人観光客を中心に人気を集める。
現在高円寺駅の北口から徒歩1分以内のビル一棟を、2月のオープンに向け改修工事を進めている。同ビルには、アートルーム2部屋、屋上ラウンジ、地下ギャラリー、1階にフロントと宿泊者以外も利用できるバーを備え、さまざまな人が交流できる場を作るという。
最終的に高円寺中の空き家、30~40部屋をアートルームとして展開する予定で、銭湯や飲食店の利用を勧めるなどし、街全体をコミュニティースペースとして利用してもらう試みも。
「今回のプロジェクト資金は借り入れや貯金などで確保し、内装はDIYで行うなどして2月中には試運転ができそうだが、内装コストが運転資金に食い込んだためクラウドファンディングで支援をお願いしようと思った」とアートディレクターの大黒さんは話す。
プロジェクトの目標支援額200万円に対し、現在の支援者は39人で70万6,000円が集まっている。支援するとリターンがあり、1万円で内覧会やイベント招待、参加アーティストデザインステッカー、BnA koenjiのバーで利用できるドリンク100円引きメンバーズカード、2万5,000円で1万円のリターンに加え、ペア1泊宿泊チケットなどが進呈される。
大黒さんは「高円寺の街全体をアート空間と捉えた企画で、日本に誇るアーティストを国内外に発信できるアートビジネス。少しでも面白いと感じてもらえたらうれしい」と支援を呼び掛ける。
支援受け付けは2月27日まで。