杉並区は3月1日、ゴミ収集車95台に「自動体外式除細動器(AED)」を配備した。
初期の救急活動に欠かせないAEDは、心停止状態の人に電気ショックを与え、心臓の働きを戻すことを試みる医療機器。区はAEDを全95台のゴミ収集車に配備し、清掃に従事する全ての職員が救急救命講習で正しい使い方を習得しているため、緊急時に対応することができるとしている。ゴミ収集車にはAEDを携行していることが分かるステッカーを張り、必要な場面に遭遇した場合、ステッカーを目印に助けを求めることができる。
同取り組みに加え、ごみを集積所まで持ち出すことが困難な高齢者や障がいのある人の世帯向けに、戸別に収集する「ふれあい収集」を行う職員にもAEDを携行させる。そのほか、区内に住む60歳以上の高齢者が交流や学びの場として集う「ゆうゆう館」全館にもAEDを配置した。
現在、区役所、地域区民センター、図書館、体育施設など区立施設を中心に190台を配置。毎年3000人を超える人が操作法と心肺蘇生法の講習を受講しているといい、区は今後も緊急時に対応できる人々が増えるよう取り組みを続けていく。