杉並区立井草森公園(杉並区井草4)周辺で1月11日、自動運転公道実証実験が行われた。
東京都内では初めて行われた同実験。測量などを事業とする「第一航業」(阿佐谷北3)が作成した、高精度3D地図データを杉並区が所有していたことから、実用化に向け研究開発を行っている民間事業者へ情報を提供し実施に至った。
自動走行車のレベルは5段階あるといい、4以上は無人運転が可能というが、今回走行したのはレベル3で運転席に運転手の乗車が必要。トヨタのエスティマにカメラやGPS、センサーなどを付け、周囲の人や物がどこにいるかなど15メートル手前まで位置の推定ができ、停止や回避が自動でできるもの。
まず田中良区長が公園周辺の公道を5分かけて試乗。自動走行車に初めて乗車したといい、「速度がゆっくりなので安心して乗ることができた。ブレーキは一段階ずつ『ぐっぐっぐっ』と踏まれている感じだった」と感想を述べ、「杉並区で所有するデータを社会貢献に活用してもらえてうれしい」と話した。東京大学大学院情報理工学系研究科、准教授の加藤真平さんは「快適な移動は今まで通り人間が運転する方が良いが、施設内などで人件費や労働力を削減するには自動走行車が向いている」と話す。
報道陣向けの試乗体験会開始直前には、走行コース内で一般車両の自損事故が起こり、ガソリンが漏れてしまったために、走行コースが半周分閉鎖されるハプニングが発生。コースを縮小し1分ほどの試乗会に変更となった。区が所有する測量カーも展示された。
今後は交通量が今回よりも多い、荻窪駅南側エリアでの公道実証実験を予定する。