公式ウェブサイト:https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5087.html
スクリプカリウ落合安奈《ひ か り の う つ わ》2025年 作家蔵 (C)Ana Scripcariu-Ochiai
東京都写真美術館では、写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘するとともに、新たな創造活動を紹介することを目的として、2002年より継続的に「日本の新進作家」展を開催しています。
第22回となる本展では、人と時代の流れ、場所、風習といった物事との結びつきから生まれる小さな物語に焦点をあてた5名の新進作家の作品を紹介します。今日、多様性の尊重やインクルーシブな社会が求められています。異なる価値観を持つ人々とのコミュニケーションや共に生きることの想像力が重要になっています。
街を歩くなかで、ふと窓に目が留まり、そこに暮らす誰かの気配を感じ、そこに紡がれているであろう生活を想像した経験もあるでしょう。窓は、今ここにいる私たちを、まるで遠く離れた世界へと導いてくれる装置のようです。窓から垣間見える暮らしを想像するように、作品もまた「窓」となり、今ここにいる私たちを遠く離れた時間や場所、風景、そして記憶へ思いをめぐらせるきっかけを与えてくれます。
本展では、5名の作家が表現する写真・映像作品を通して、今を生きる他者や社会に静かに寄り添う視点を提示します。
展覧会のポイントと出品作家
多様なバックグラウンドと表現手法を持つ5名の作家が参加。写真や映像を基軸としながら、インスタレーション、立体、音、言葉など、メディアを横断する手法でそれぞれの「小さな物語」を紡ぎます。タイトルにある「窓」は、他者の存在を想起させる象徴であると同時に、作品自体が「窓」のように、ぞれぞれの時間や記憶へと見る者を導きます。作家たちの物語は、他者や異なる価値観を想像するきっかけとなり、現代社会における共生や対話について考えるヒントを与えてくれるでしょう。
寺田健人 写真を軸に、社会的な枠組みやジェンダーを問い直すインスタレーションを展開
寺田健人《Famiry Box》〈想像上の妻と娘にケーキを買って帰る〉より 2021年 作家蔵 (C)Kento Terada /Courtesy of Yumiko Chiba Associate
スクリプカリウ落合安奈 日本とルーマニア2つの母国を背景に、土地と人との結びつきを浮かび上がらせる
スクリプカリウ落合安奈《ひ か り の う つ わ》2025年 作家蔵 (C)Ana Scripcariu-Ochiai
甫木元空 映画、音楽、小説と多岐に渡り活動。家族の生と死を記録することで、観るものと記憶を共有する
甫木元空〈窓外〉より2023年 作家蔵 (C)Sora Hokimoto
岡ともみ 日本各地に残る死にまつわる風習や個人の記憶を古時計に閉じ込めた代表作〈サカサゴト〉を展示
岡ともみ《サカサゴト》2023年 作家蔵 (C)Tomomi Oka
呉夏枝 オーストラリア移民の歴史と個々の記憶を写しこむ代表シリーズから派生した新作を日本初公開
呉夏枝《Seabird Habitatscape#2-Banaba, Nauru, Viti Levu》2024年 作家蔵 Image courtesy: CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile), Hong Kong (C)Haji Oh
関連事業
[出品作家とゲストによるトーク]
〇10月19日(日)14:00-15:30
スクリプカリウ落合安奈(出品作家)×岡ともみ(出品作家)×竹内万里子(批評家・作家、京都芸術大学教授)
〇12月27日(土)14:00-15:30
寺田健人(出品作家)×呉夏枝(出品作家)×鷲田めるろ(金沢21世紀美術館館長、東京藝術大学准教授)
会場:東京都写真美術館1階ホール
定員:190名(整理番号順入場/自由席)
参加費:無料
※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布
※両日とも文字表示支援あり
[出品作家 甫木元空による上映]
〇10月26日(日)14:00-《はだかのゆめ》アフタートーク付き
(登壇:甫木元空(出品作家)、尹雄大(インタビュアー))
〇11月22日(土)
10:30-《BAUS》
13:30-《はだかのゆめ》
15:00-《BAUS》
〇12月13日(土)14:00-《1991》作家による生演奏付き
会場:東京都写真美術館1階ホール
定員:190 名(整理番号順入場/自由席)
参加費:無料
※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布します。
[担当学芸員によるギャラリートーク]
〇10月10日(金)14:00 -
〇11月21日(金)14:00 - 手話通訳付き
〇12月19日(金)14:00 - 手話通訳付き
※当日有効の本展チケット、展覧会無料対象者の方は各種証明書等をお持ちのうえ 3 階展示室入口にお集まりください。
[Ontenna*付きギャラリートーク]
〇12月19日(金)16:00 - 手話通訳付き
会場:東京都写真美術館3F展示室
定員:6名(事前申込制、応募多数の場合は抽選)
参加費:無料
*Ontenna・・・髪の毛や耳たぶ、えり元やそで口などに付けることで、振動と光によって音の特徴を感じることができる装置。ろう・難聴者と聴者が 共に楽しむ未来を目指し、ろう者と聴者の協働で開発された。
[筆談鑑賞会「遠い窓へ 日本の新進作家 vol. 22」手話通訳付きインクルーシブワークショップ]
聞こえない人、聞こえにくい人、聞こえる人が筆談をしながら一緒に作品鑑賞を楽しむプログラム
〇11月8日(土)14:00-16:30
案内人:小笠原新也(耳の聞こえない鑑賞案内人)
会場:東京都写真美術館3F展示室
対象:小学4年生以上、どなたでも
定員:10名(事前申込制、応募多数の場合は抽選)
参加費:無料
開催概要
遠い窓へ 日本の新進作家 vol. 22
Thoughts of a Distant Window: Contemporary Japanese Photography vol. 22
会 期|2025年9月30日(火)-2025年1月7日(水)
会 場|東京都写真美術館 3階展示室
主 催|東京都写真美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京新聞
協 賛|東京都写真美術館支援会員
電 話|03-3280-0099 WEB|www.topmuseum.jp
開館時間|10:00-18:00(木・金は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日|毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館)、年末年始(12/29-1/1)
観覧料|一般700円、学生560円、中高生・65歳以上350円
※ 中学生以下及び障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料
※ オンラインで日時指定チケットを購入いただけます