東京高円寺阿波おどり連協会に所属する「菊水連」は6月25日、「阿波おどりのVRコンテンツ」を発表した。
VR作成のきっかけは、昨年から始まった「阿波おどり元気配達プロジェクト~笑顔の花を咲かせよう~」。「阿波おどりを見たいが見に行けない方、障がいを持っている方や高齢者の方に、少しでも阿波おどりに触れてほしい」という菊水連の人たちの思いから作成したという。
コンテンツは、Googleのストリートビューと連動したシステムのカメラを使って撮影。赤外線で距離と形を認識し、360度撮影した写真と赤外線で認識した3Dモデルを合成することで、さまざまな方向から見ることができる映像を作成する。通常、不動産関連で活用されるカメラで、エンターテインメントでの導入は新しい試みだという。
「菊水連」連長の安住一成さんは「阿波おどりの踊り子に手が触れるくらい間近で見ることができる。自分も踊っているような体験を感じてほしい」と視聴を呼び掛ける。
菊水連のオフィシャルサイトで視聴できる。試聴無料。
菊水連は、1964(昭和39)年に新高円寺の商店街「ルック商店街」の連として結成し、半世紀にわたり阿波おどりを踊っている。最近では、伝統的な文化である阿波おどりの技術向上だけでなく、国際交流やボランティア、青少年育成にも注力している。入連希望者は年々増加傾向にあり、昨年はアメリカ、ロシア、フランスを含む30人(定員上限)が入連するなど幅広い層で活動している。
今月、チュニジアで開催される「第55回カルタゴ国際芸術祭」では、在チュニジア日本大使館より招聘(しょうへい)を受け、菊水連が国際文化交流として日本の伝統文化である阿波おどり公演を行った。会場はカルタゴローマ劇場で、世界遺産カルタゴ遺跡群の1つであるローマ劇場跡地。2020年4月30日には、国立劇場で菊水連主催の公演が決定している。