銭湯の隣に複合施設「小杉湯となり」が2020年春、小杉湯の隣(杉並区高円寺北)にオープンする。
小杉湯となりは、86年の老舗銭湯「小杉湯」が建主、クリエイティブチーム「銭湯ぐらし」が企画・運営を行う。「銭湯のあるくらし」をコンセプトに、元々小杉湯の隣の風呂なしアパートに住んでいた銭湯ぐらしのメンバーが、実体験で感じた銭湯のある暮らしの豊かさを広めていきたいと、アパートの取り壊しをきっかけに企画した。
銭湯ぐらしは、2017(平成29)年3月から2018(平成30年)年2月に実施されたプロジェクト「銭湯ぐらし」から誕生した。建築家・デザイナー・コンサルタント・プロデューサーなど多様な職業の人が集まり、解体を控えた風呂なしアパートを舞台に、それぞれの専門分野と銭湯を掛け合わせた活動を展開した。
小杉湯となりの開業に当たっては、「理想の場所をつくりたい」という思いと事業としてのバランスを取ることや、職種の異なるメンバーのスケジュール調整に苦労したという。建築面では2020年東京オリンピックの影響もあってボルトが入手困難になり着工が遅れるハプニングもあった。
1階は湯上がりの一杯や栄養バランスのとれた食事が楽しめるスペース、2階は畳の上でくつろいだり、作業ができるスペース、3階は貸し切り利用ができるスペースを予定している。
銭湯ぐらし代表の加藤優一さんは「家に真っすぐ帰宅するよりも、小杉湯や小杉湯となりに立ち寄りたくなるような、心地良い場所作りを目指している」と話す。「子どもから大人まで、日常の楽しみが増えたり、高円寺に暮らす豊かさを感じられる場所にしていきたい。小杉湯を日頃から利用している人も利用していない人にも、たくさんの人に湯上がりの気持ちの良い時間を過ごしてもらいたい」とも。