日本酒バー「へなちょこ」が西荻窪(杉並区西荻北2)に2月22日、オープンした。
「栃尾のあぶらげ煮」(お燗セット1,000円、料理単品500円)と日本酒「不老泉・奥琵琶湖」
木の質感を生かした11坪の店内に12席と数名の立ち飲みスペースを設ける。オーナーはデザイナーの篠山可南子さん。育児中の篠山さんと、同じく育児中の店主・森礼奈さんが店舗を切り盛りする。現在は週末限定の営業だが、平日の間借り営業も呼び掛けている。
お薦めの料理は「栃尾のあぶらげ煮×お燗セット」(1,000円、あぶらげ煮単品は500円)。「『栃尾のあぶらげ』は居酒屋などでネギと一緒に焼いて提供されることが多いが、店主の母が栃尾出身であることから、お麩(ふ)などと煮る地元流のあぶらげ煮を提供している。油揚げを『あぶらげ』と呼ぶのも地元の呼び方」と篠山さん。ほかに「瓶づめおつまみ」シリーズなど日本酒に合う料理を提供する。
お薦めの日本酒は「不老泉・奥琵琶湖」。東京ではあまり流通していない商品で、地元滋賀で広く愛されている酒だという。「ふくよかな飲み口で、おかんにするとホッとするような優しい味わいが楽しめる」
週末限定の営業のため、開栓した生酒はその2日間で飲み切ることを前提に、一升瓶ではなく四合瓶を多めに仕入れるなど計画的にそろえ、銘柄も毎週大幅に入れ替える。「毎回違うお酒を選び、そろえるのは正直とても大変だが、それを楽しみにして来店するお客さまもいるのでやりがいがある」
日本酒のラインアップの特徴は、「爽やかでやや微発泡の飲みやすいものから、香りのいいもの、うま味のあるもの、キレの良いもの、芳醇(ほうじゅん)な味わいのものなど、産地や銘柄でなく、味わいで幅広くそろえている」と篠山さん。「日本酒がちょっと苦手というお客さまにいろいろな銘柄を試してもらい『この日本酒なら好きかも』と新しい出合いの手伝いをできたこともあった。すてきな日本酒たちとお待ちしている」
店舗のロゴはデザイナーである篠山さん自身がデザイン。ショップカードや名刺、店内のれんや瓶、SNSの画像などに使用する。
今後は他店とのコラボレーションも予定し、3月末には神楽坂の手作りジェラート教室「ジリオ」とコラボレーションした「桜餅ジェラート×日本酒」を企画している。篠山さんは「他にも店内設備としてプロジェクターなどもあるので、酒蔵や酒屋を招いての試飲会や講習なども今後企画していきたい」と意気込む。
篠山さんは西荻窪のイメージを「(西荻窪には)こだわり派の方々が住むおしゃれな街のイメージがあった。周辺にもすてきなお店が多く、本当にここに開店していいのかな……? と少し不安に思ったことも」と話す。開店後は「カジュアルなお店作りが珍しかったのか、ご近所の方々がふらりと立ち寄られたりと嬉しい反響を頂き、感謝している」
「週末にお昼を食べた後で、散歩がてらふらっと立ち寄って昼から日本酒を楽しむ、そんな楽しみ方を提案したいと思っている。半個室の小上がりやおむつ替えシートを設置しており、小さなお子さまをお持ちのご家庭など、お子さまを連れての来店も歓迎。家族の憩いのひとときを提供できるお店になれたら」と呼び掛ける。
営業時間は13時~22時。月曜~金曜定休。