高円寺の小杉湯（杉並区高円寺北3、TEL 03-3337-6198）で現在、「クラフトコーラの湯」が開催されている。

　クラフトコーラは、一般的にスパイスやハーブ、かんきつ系の天然素材で作られたコーラで、生産者の個人的思想やストーリー、地域性、表現したいことが、素材選びや作り方、デザインなどに反映されているものをいう。全国に約50種類のクラフトコーラがあり、 ネクストブレイクとして注目度の高いドリンクでもある。

　ゴールデンウイークに開催された「小杉湯クラフトコーラフェスト」では、クラフトコーラ行商で、マイスターの鯉渕正行さんが、全国各地からセレクトした6銘柄の「クラフトコーラの湯」や試飲販売、シロップの展示販売を行った。6日間で約3700人が来場し、試飲・シロップ販売の売り上げは68万円に上った。

　開催の背景に3代目の平松佑介さんは、「3度目の緊急事態宣言で、多くの飲食店や商業施設が休業に追い込まれ、人々の交流が取れなくなった。こんな時だからこそ小杉湯ではより一層、きれいで清潔で気持ちのいいお風呂と小杉湯が大切にしている『ケの日のハレ』、日常の中の非日常を届けたいと考えていた。クラフトコーラはノンアルコールで緊急事態宣言下でも提供可能であることや、フェストでの反響を受け、再び開催となった」と話す。

　提供する風呂は日替わりで、「伊良コーラ」「ともコーラ」「熊本クラフトコーラ」「高知クラフトコーラ『sawachina』」「TOBA TOBA COLA」「出雲 SPICE CAB.」。それぞれのクラフトコーラが持つ独特な香りが楽しめるという。

　平松さんは「4月25日に緊急事態宣言が発令されてからは、2人以上で来場された方については、番台で私語厳禁の同意書を取るようにしている。こうした感染症対策を行った上で、フェストを開催し、ノンアルコールのクラフトコーラを楽しんでもらえたことは大きな発見だった。日常に寄り添う公衆浴場だからこそ、コロナ禍の大変な状況のなかで、ホッと落ち着けるような時間を提供していけたら」と話す。

　営業時間は15時～翌1時45分。木曜定休。入浴料は大人（中学生以上）＝470円、小学生＝180円、幼児＝80円。5月30日まで。