杉並区と南伊豆町と静岡県が12月11日、静岡県賀茂郡南伊豆町に杉並区が運営する特別養護老人ホームを建設する基本合意書を締結した。
行政管轄区域を超えた自治体間連携による特別養護老人ホーム建設は全国で初めて。
杉並区によると、現行の介護保険制度では、自治体の圏域外の特養整備は想定されていないことや、杉並区民が入所することで地元の負担が発生してしまうことなどさまざまな課題が、整備に向けての大きな壁となっていたが、厚生労働省において「都市部の高齢化対策に関する検討会」が設置され、法改正などの方向性や関係自治体間での検討が進んできたことから今回の合意書の締結に至ったという。
杉並区の田中区長は「都市部の急速な高齢化は深刻な問題で、圏域外の特養整備は、この問題に一石を投じるものであり、また、都市部と地方の双方にプラスになる自治体間連携の先駆的モデルとしても大きな意義のある取り組みと考えている」と話す。
区民からは「住み慣れた地域を離れることになるのだから、入所には家族を含めたヒアリングが重要」との声も。
同施設は2017年度の運用開始を目指している。