火災で休業していた高円寺のライブバー「AFTER HOURS（アフターアワーズ）1975」（杉並区高円寺北3）が営業を再開して2カ月を迎える。

『AFTER HOURS』と刻まれる赤いピアノ

　高円寺中通り商店街にある「アフターアワーズ」は1975（昭和50）年、同所の2階にジャズバーとして開業。2005（平成17）年に1階で立ち飲み店「アフターアワーズ2005」もオープンし、1階・2階で営業していた。2020年12月、同店が入る建物で火災が発生し全焼。建物が再建され、1階の立ち飲み店は今年7月に営業再開、2階の同店も10月21日に営業を再開した。

　現在の店主で甲斐久仁江さんは「火災により全て真っ黒に燃えてしまった店内に、『AFTER HOURS』と刻んだ赤いピアノだけがそのままの姿で残されていた」と振り返る。

　建物の再建では、赤いピアノと共に店を復活させようと、高円寺のみならず日本全国の1000人を超える音楽ファンが署名活動。活動が実り、1階の2005と2階の1975が、共に再開できたという。

　営業の再開を機に、初代店主の台（うてな）夕起子さんから店の経営を譲り受けた甲斐さん。「重たい入り口のドアを開けると、目の前に赤いピアノが飾られている」と話す。これまで行っていなかった昼営業も始めた。

　昼営業では、産地直送のオーガニック野菜を使ったメニューをそろえる。サラダとドリンク付きのランチセットは、「煮込みBIGハンバーグ 」（1,200円）、「ギタリズムホットサンド」（750円）、スパゲティ各種（1,000円～）などを日替わりで用意する。

　夜は小皿料理（500円～）などを提供。ライブ時にはミュージックチャージ（2,000円～）テーブルチャージ（500円）が別途必要になる。毎週日曜には、誰でも参加ができるセッションも実施。そのほか、オープンマイクのイベントなども開催する。

　甲斐さんは「リスタートした1975のコンセプトは、プロミュージシャンによる生演奏を聞きながら、食事と酒が楽しめる大人のレストランバー。ミュージシャンが腕を磨き合うセッションや創業当初から出演するアーティストの演奏など、楽しく上質な時間を過ごしてもらえれば」と来店を呼びかける。

　営業時間は12時～24時（ランチは12時～17時）。水曜定休。