杉並区井草に「農福連携農園(すぎのこ農園)」(杉並区井草3)がオープンし、4月28日、開園式が行われた。
農産物の生産や災害時の防災空間、環境保全機能のほか、農業体験・地域交流の場としてさまざま機能を持つ都市農地。杉並区は2019(平成31)年3月、区民農園だった地を購入し、同年4月から「農福連携農園」として福祉分野と連携し、土づくりなどの農園整備と試験的作付けを開始した。これまでに障害者・高齢者の生きがい創出、若者の就労支援、福祉施設や子ども食堂への農作物の提供などを実施している。
完成した管理棟は、区内最古と言われる江戸時代中期の農家住宅の部材を活用し、農の風景に溶け込むような木造平屋建て(延床面積約161平方メートル)として整備。囲炉裏や調理スペースを設け、収穫物で子ども食堂の開催や、近隣の高等学校との加工品の開発、地域団体による郷土料理の紹介イベントなど、地域に根差した取り組みに活用する予定。
開園式は、農業関係者や障害者団体、地域の人々を招待し行われた。田中良区長は「管理棟の完成により昔の農の風景が広がるこの農園は、農業と福祉が連携して取り組む23区で初めての農園となる。貴重な都市農地において高品質で新鮮な野菜を生産するとともに、新たな機能や魅力を、さまざまな取り組を通して発信していきたい」と話した。
開園時間は、9時~17時(土曜・日曜・祝日休園)。管理棟は誰でも見学ができる。