高円寺の街の壁面にアートを施す「Koenji MURAL(ミューラル) CITY PROJECT」の第6弾の制作が3月20日から始まる。
「高円寺を東京のアートの街にしたい」と、2016年に「BnA hotel」(杉並区高円寺北2)がプロデュースし始動した同プロジェクト。これまで「高円寺東高架下自転車駐車場」(高円寺南4)前の壁画、「サワノ眼鏡店」(同)のシャッターなど街中の5カ所にアートを施してきた。そのほか、虎ノ門エリアや秋葉原などにも活動の場を広げている。
今回は杉並区とのコラボレーションで実施。場所は桃園川緑道の壁面25メートルほどで、パル商店街の出口から高南通りに向かう、公衆トイレのある通り。区はこれまで同地の落書き除去を検討する中で、同プロジェクトへも興味を持っていた。5日には高円寺駅南口エリアの各商店街会長・町会長を集め、プロジェクトの説明を行った。
壁画を描くアーティストは岩切章悟さん。未知の環境から得る感覚をイメージにして絵を描く制作を好み 、数十カ国で絵を描きながら旅をしていた。中でも強く影響を受けたのが中南米の「ラテンアメリカ先住民文化」といい、そこでの生活で触れた「シャーマニズム」の考え方が現在の絵画に反映されている。2009年に2年半のラテンアメリカの旅から帰国後、個展や壁画制作、ライブペイントなどで活動。2011年の東日本大震災を機に「循環」をコンセプトにした「★con tierra☆」シリーズを発表し、昨年は2016年までの代表作をまとめたアートブックも出版している。
プロジェクトリーダーで「BnA hotel」の大黒健嗣さんは「今回初めて杉並区とのコラボレーションにより実施が決まった。地域の皆さんに協力いただきながら、これからもアートで地域活性に力を添えていければ」と意気込む。
完成は今月31日を予定する。