プレスリリース

実践した経験を、本人はどう理解したか。メーカー営業リーダー7人の研修後記述の分析結果を発表

リリース発行企業:リクエスト株式会社

情報提供:

980社・延べ33.8万人の働く人のデータを基盤に組織行動科学(R)の研究・教育開発を行うリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑智康)は、メーカー営業リーダー7人の研修後アンケートの自由記述を分析し、その結果をまとめた報告書『実践した経験を、本人はどう理解したか。』を公開します。

今回の分析では、販売店との話し合いで当初の案を見直した実践者1人が、その経験をどう理解したかを整理しました。本人は、「相手の立場で考えて話し合う」ことを実践できたという気づきについて、事例の発表時点ではなく、研修で整理する中で理解したと記しています。また、他の6人の記述には、経営者への働きかけ、人の育成、相手の目的の確認など、今後の支援に関する異なる着目点が表れていました。
実践したという報告に加え、本人がその経験をどのように理解し、次の関わりへどうつなげようとしているかを確かめるための分析です。



分析報告書を読む(PDF・全7ページ)

背景:販売店との実践を、次の営業活動につなげるために

メーカーのルート営業は、販売店を通じて、その先の顧客への販売やサービスを支えます。販売店との継続的な関係の中で、新たな仕事の進め方を提案し、誰がどの仕事を担えるかを一緒に考える場面があります。
今回の資料は、共通の実践事例と自分の営業活動を振り返った、7人分の研修後の記述です。共通事例と自身の関わり方、商談と対話の違い、取引先を整理して今後の仕事を考える図(取引先構成図)の作成・考察、学びや気づきに関する回答から、本人が経験をどう説明し、今後どの支援を考えているかを検討しました。

分析結果1:実践者本人が、理解した場面を後から説明していた

実践者Aは、受注を増やすため、提案力のある販売店担当者に活動を広げてもらうことを考えていました。販売店と一緒に検討する中で、その担当者以外の人が担う案に変わったと報告しています。
本人は、詰問にならず相手に話してもらうことを心掛けたと記しました。一方で、「相手の立場で考えて話し合う」ことを実践できたという気づきについて、次のように述べています。
事後課題をみんなに発表した時点でも気づいていませんでしたが、今回の研修で整理していくうえで理解できました。
さらに、回答を書く中でも気づきや理解があったと記しています。報告書では、本人が振り返った「実践」「事例の発表」「研修での整理」「回答を書く中」の場面を並べて示しました。



ここから、実践を実施したという報告だけでなく、本人がどの経験をどう理解したのかまで確かめる必要を検討できます。回答を書く中の気づきの全内容や、その後の実践への活用は、この資料では確認していません。

分析結果2:他の6人は、次の支援について異なる着目点を記していた

共通の事例や設問に対し、他の6人には次のような記述がありました。
B:自分が直接協力することに加え、担当者が実行できるよう経営者へ働きかける必要。
C:こちらからの同行提案などをやめ、一緒に進め方を対話する意向。経営者以外との目的共有の難しさ。
D:相手の負担を減らし、同様の仕事を担える人を育てる支援。
E:経営層と社員それぞれの立場を踏まえ、現場の事実や実際の件数・利益・工数を確かめる必要。
F:作業手順の確認だけでなく、相手の思いや事業の目的から考える必要。
G:用意した回答へ誘導していた関わりを振り返り、相手と目的を共有して一緒に考える必要。
A〜Gは匿名の識別記号です。各回答の代表的な着目点を要約しており、一人に一つの型を割り当てたり、理解や成果の順位をつけたりしたものではありません。

今後の意向を、実際の会話で確かめる

回答には、次の関わりについて、さらに具体化したい記述もありました。例えば、Cは同行などをこちらから提案することをやめ、一緒に進め方を対話すると記しています。この意向が、用意した案を押しつけないという意味なのか、相手が考えるための材料をどう示すつもりなのかは、本人との確認が必要です。
またGは、取引先構成図の作成・考察に関する別の設問で、経営者に今後の取引に関する判断を「迫らなければいけません」と記しています。判断に必要なことを明確にする意向なのか、別案や保留にどう応じるつもりなのかは、回答だけでは分かりません。
これらを実際の対話の良し悪しと同一視せず、営業管理職や育成担当者が、本人の説明を具体的な会話と結びつけて確認する手がかりとして整理しました。

分析を踏まえた提案:実践・理解・次の確認をつなぐ

報告書では、一つの販売店とのやり取りを取り上げ、次の三点を本人と確認する方法を提案しています。
何をしたか:どの提案を、相手のどの発言を受けて見直したか。
どう理解したか:その経験から、自分の関わりをどう捉え直したか。
次に何を確かめるか:別案や保留が出たとき、どう話し合い、実際にはどう対応したか。
この方法の実施後の変化や、営業成果は今後の確認事項です。

理論による補足

Anseelら(2009)は、Web上の仕事シミュレーションを用いた2研究で、フィードバックに振り返りを組み合わせた条件では、フィードバック単独より次の課題の成績改善が大きいと報告しました。今回の分析では、実際の行動や相手の反応を材料に、本人が経験の意味を整理する支援を考える参考にしています。
Argyris(1976)は、本人が行動のよりどころとして説明する考えと、実際の行動から推定される考えを区別しています。「対話する」という説明に加え、相手の異論・別案・保留を実際にどう扱ったかを確かめる接点として取り上げました。
今回の7人の記述は、両研究の効果を検証したものではありません。研究と今回の支援を結ぶ説明は、当社による解釈と提案です。
Anseel, F., Lievens, F., & Schollaert, E. (2009). Reflection as a strategy to enhance task performance after feedback. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 110(1), 23-35.
Argyris, C. (1976). Single-Loop and Double-Loop Models in Research on Decision Making. Administrative Science Quarterly, 21(3), 363-375.

分析の概要と確認できる範囲

分析対象:メーカー営業リーダー7人の研修後アンケートの自由記述
資料:2026年10月の研修後記述。4設問を検討し、任意欄も参照
方法:実践者が述べた場面の順序、他の回答者の支援への着目点、今後さらに具体化したい意向を分けて整理し、原文と照合
公表方法:企業名・個人名などを掲載せず、意味を保って匿名化・要約
確認したのは、本人が報告した経験・理解・実践意図です。理解度の測定、7人の学習過程の追跡、実際の会話の観察、その後の営業成果の検証は含みません。研修参加の範囲にも違いがあり、全員が同じ経験をしたとは扱っていません。

報告書の概要

資料名:実践した経験を、本人はどう理解したか。
副題:メーカー営業リーダー7人の研修後記述を分析
仕様:PDF/A4横/全7ページ
対象:メーカー営業の管理職、営業リーダー、育成・研修担当者
内容:分析の背景、実践者が振り返った理解の場面、他6人の着目点、具体化したい実践意図、育成への提案、理論、分析方法・出典
提供:無料
分析報告書を読む(PDF・全7ページ)
関連資料:
相手の事情と支援の見直しを扱った実践記録の分析
気づきを次の仕事の判断へつなぐ実践ガイド




リクエスト株式会社について




リクエスト株式会社は、組織行動科学(R)の研究・教育開発を通じて、成果につながる方法を、本人が使える仕事へとつなぐ支援を行っています。研究と実践の知見を公開資料として整理し、職場での対話や仕事の見直しに役立てていただくことを目指しています。



会社名:リクエスト株式会社
代表者:代表取締役 甲畑智康(こうばた ともやす)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
公式サイト:https://requestgroup.jp/




本件に関するお問い合わせ

リクエスト株式会社
メール:request@requestgroup.jp
お問い合わせフォーム:https://requestgroup.jp/request
資料の内容、職場での活用、取材に関するお問い合わせは、上記窓口までお寄せください。



組織行動科学(R)のプレスリリース・公開資料一覧