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杉並・松庵小で「蘇った足踏みオルガン」贈呈式 卒業生が親子2代で修復

蘇った足踏みオルガン

蘇った足踏みオルガン

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 杉並区立松庵小学校で12月21日、修復した足踏みオルガンの贈呈式が行われた。

オルガンを囲む同窓会委員と美歌さん

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 同校は1952(昭和27)年4月の創立当時、校舎が無く、10月に校舎ができるまでの間、近隣の高井戸第二小学校と高井戸第四小学校に間借りしていた。同オルガンは「贈 松庵小学校殿」「高井戸第二小学校いずみ会 昭27.10.20」の文字があることから、新校舎に移る際にお別れの品として父母会から贈られた物という。オルガンはその後、松庵小にピアノが設置されたことで使用頻度が減り、学校の倉庫にしまわれ、2016年春に発見されたが、経年劣化で全ての音が出なくなっていた。

 松庵小卒業生で同窓会運営委員の大庭輝夫さんは、河合楽器製作所に勤務後、独立しオルガンやピアノなどの楽器の調律や修理修復を行っていた。音の出ないオルガンを知った大庭さんは修理を引き受け、後1音で完了するところで2017年7月に急逝した。楽器修理の仕事をしていた娘の美歌(みか)さんと夫が引き継ぎ、2018年6月に全ての音が鳴るようになった。

 贈呈式では、同窓会運営委員がオルガンと緑色の手作りカバーを生徒に手渡し、代表生徒が「松庵小の歴史を見守ってきたオルガンを大切にしたい」と感謝の気持ちを伝えた。同窓会の野田会長は、全校生徒450人と校歌を斉唱し、「初めて現役生徒と一緒に歌えてうれしい。涙が出そうになった」と話し、美歌さんは「一番喜んでいるのはきっと父。今後も生徒と時を刻めることがうれしく思っているのでは」と話す。

 オルガンは総合学習室に展示し、行事や開校記念日などで演奏する予定という。

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